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Builders Unscripted: Ep. 1 - Peter Steinberger, Creator of OpenClaw

再生時間

31分 29秒

OpenClaw開発者Peterが語るAI時代の開発と創造の旅

ポイント

  • OpenClawの生みの親Peter氏が、AIが開発にもたらす革命と自身の創造の旅路を語る記事です。
  • AI活用により開発が劇的に加速し、「誰もが何かを作れる」時代への興奮と、その過程での発見が詳細に紹介されています。
  • 燃え尽き症候群からの回復を経て、AIをパートナーとして新しい創造に挑む開発者の可能性と知見を得られます。

はじめに:AIが切り開く新たな開発の地平

近年、AI技術の進化は目覚ましく、開発の世界に革命をもたらしています。特に、オープンソースプロジェクト「OpenClaw」の驚異的な成功は、多くの開発者に新たな可能性を示しました。この度、OpenClawの生みの親であるPeter氏がOpenAIにて、その開発の背景、AIとの出会い、そしてビルダーとしての興奮を語りました。

本記事では、YouTube動画の文字起こしを元に、Peter氏の言葉からAI時代の開発の魅力と、OpenClawが「一夜にしての成功」ではない、深く探求された旅の結晶であることをご紹介します。

OpenClawの驚異的な成功とコミュニティの熱狂

OpenClawは、わずか数週間のうちに世界中の開発者を魅了し、大きなムーブメントを巻き起こしました。Peter氏自身も、その反響の大きさに驚きを隠せません。

世界を席巻するコミュニティイベント

サンフランシスコで開催された「Codex Hackathon」や、OpenClawに特化したイベント「ClawCon」には、実に1000人もの人々が集まりました。Peter氏は、参加者の創造性や熱意にただただ圧倒されたと語っています。コミュニティからの「ミートアップを開催したい」という声に応えてDiscordチャンネルを開設したところ、あっという間に大規模なイベントへと発展しましたのです。

この熱狂はサンフランシスコに留まらず、遠く離れたウィーンでも300人規模のミートアップが企画されるなど、OpenClawは文字通り世界的な現象となっています。異なる大陸や文化圏の人々がこのプロジェクトに魅了されていることは、まさに驚くべきことです。

ビルダーとしての喜び

Peter氏は、コミュニティとの交流を通じて、多くの人々がOpenClawを「企業レベルで完成されたプロジェクト」と期待していることを感じています。しかし、彼にとってOpenClawは長らく「自身の小さな遊び場」でした。彼が何よりも喜びを感じるのは、AIの力によって「今、何ができるのか」という可能性を探求できることだと言います。「ビルダーにとって、これほど素晴らしい時代はない」と、現在のAI時代への興奮を語っています。

ビルダーとしてのAI時代の魅力

Peter氏は、現在の開発環境が大きく変化している点を強調します。ツールチェーン全体が刷新され、「開発者であること」の定義そのものが変わりつつあるのです。AIによって「誰でも何でも作れる」時代が到来したと述べています。

開発の加速とドーパミンヒット

Peter氏がAI技術に触れ始めた当初、特にClaude Codeを使った際に、コードが30〜40%の確率で正しく動作するだけでも「衝撃的」な体験でした。この時、「今なら何でも作れる」という実感を得たと言います。

ソフトウェア開発は依然として難しいものですが、AIを活用することで以前よりも格段に速く開発を進められるようになりました。この開発の加速こそが、ビルダーにとって大きな魅力であり、Peter氏に「ドーパミンヒット」をもたらす源泉となっているのです。

PSPDFKitからOpenClawへ:起業家としての道のり

Peter氏のキャリアは、OpenClaw以前にも大きな成功を収めています。2011年頃に開発した「PSPDFKit」は、問題を見つけ、優れたソリューションを創出し、会社を築き、スケールさせ、そして売却するという、多くの開発者が夢見るような道のりを実現しました。

燃え尽き症候群と休息、そしてAIとの再会

しかし、この成功の裏には13年間ものハードワークがあり、Peter氏は「燃え尽き症候群」を経験しました。会社経営や創業者としての役割は困難であり、当時はその対処法を知らなかったと語っています。深い休息が必要だったのです。

休息中も技術ニュースは追っていましたが、初期のGPT EngineerやChatGPTの登場は、彼をそこまで興奮させるものではありませんでした。「新しい技術は、ただ読むだけではその真の力を伝えきれない」と感じていたのです。Apple技術での開発から離れ、新しい分野での挑戦を求めていた時期でもありました。

AIが開発を変革した決定的な瞬間

AIがPeter氏の心を捉えたのは、彼が再び何かを「作りたい」と感じた時でした。以前、途中で断念してしまったプロジェクトを再開しようとした際に、AIの力を試してみたのです。

彼は、その未完成のプロジェクトの全ファイルを一つにまとめた巨大なMarkdownファイル(約1.5MB)を用意しました。これを当時の「Gemini Studio 2.5」に投入し、「仕様書を作成してほしい」と指示したところ、400行にも及ぶ詳細な仕様書が生成されました。次に、この仕様書を「Claude Code」に入れ、「ビルドしてほしい」と指示しました。そして、メイン画面で別の作業をしている間、サイドスクリーンでAIが数時間かけてコードを生成し続けたのです。

当時のAIはまだ粗削りでしたが、Peter氏はPlaywright(ウェブアプリケーションのテスト自動化ツール)を使ってAIの作業を監視させ、Twitterのログイン機能の実装を試みました。すると1時間後には、実際に動作するものが完成していたのです。

生成されたコードは「最悪の品質」だったとPeter氏は振り返ります。しかし、その時彼が感じたのは、AIが開発プロセスにもたらす無限の可能性でした。鳥肌が立つほどの衝撃を受け、「これで今まで作れなかったものも作れる」と確信した瞬間、彼はもう眠れなくなってしまったと言います。これが、彼がAIの「ウサギの穴」に深く入り込むきっかけとなりました。

OpenClawの誕生と探索の旅

多くの人々がOpenClawを「一夜にしての成功」と見ていますが、Peter氏のGitHubプロフィールを見れば、その裏に9〜10ヶ月にわたる40以上のプロジェクトの蓄積があることが分かります。Peter氏は、OpenClawが決して統一された計画のもとに生まれたものではなく、多くの「探索」の旅の結晶であると説明しています。

それぞれのプロジェクトで得られたアイデアや技術が、最終的にOpenClawという形で結実したのです。

まとめ:AIと共に未来を創造するビルダーの可能性

Peter氏の物語は、AIが開発者の働き方や創造性をどのように変革しうるかを示す好例です。燃え尽き症候群から回復し、新たな技術への好奇心と探求心によって、彼は再び開発の最前線へと戻ってきました。

AIは単なるツールではなく、開発者の可能性を飛躍的に広げるパートナーです。Peter氏が経験した「 goosebumps」のような体験は、多くのビルダーが今後経験することになるでしょう。OpenClawの成功は、まだ始まったばかりのAI時代の開発の魅力を私たちに教えてくれています。

参考動画: https://www.youtube.com/watch?v=9jgcT0Fqt7U